Borderless Creations

今日紹介するのは、僕の友人夫婦がオープンした「Borderless Creations」なるWEBサイト。

昨今よく耳にするワード、SDGs(*1)の「S」、Sustainable=サステナブル=持続可能なライフスタイルやニュースを、世界を自ら旅しながら取材・収集してシェア(配信)し、関連するアイテムも販売しています。

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昨年の初夏、彼らが新しい活動をはじめる動機を聞いて、とても共感したことを覚えています。

ファッションの仕事に長く携わってきた2人は、この業界から発生する大量の廃棄物にずっと違和感を抱いていました。なぜなら、急激に変化するトレンドに追われ、消費量を無視した溢れかえるほどの服が、今でも生産され続けているからです。

子供が産まれてからは、この違和感と感情はさらに強まりました。

世界の中でも、日本はモノが溢れていてゴミの問題も多い。ならば、私たちに何か出来ることはないか? 5年後、10年後、20年後、息子たちはどのような環境下で生きてゆくことになるのか?
— Borderless Creations「Our Story

親になると、自分たちの子どもが生きていく時代がどうなっていくのか想像し、多かれ少なかれ心配しますよね。

政治・経済的な環境に加えて、衛生環境や自然環境がどうなっていくのか、何かしらニュースを読むたびに将来に紐づけて考えてしまいます。

友人夫婦は長くファッション業界で働いていました。

ファッションと言えば、大量のゴミを出す、製造の過程で大量の二酸化炭素を排出する、大量の水を使用する、洗濯や廃棄によって大量のマイクロプラスチックが海を汚染する、製造過程(染色)で大量の水を汚染する……などなど、多くの社会問題を抱える業界(*2)。

自分たちの大好きな仕事が、子どもたちが生きていく環境を破壊しているという事実は、彼らにとって大きなジレンマになったようです。

環境に少しも負荷をかけずに生活することは不可能ですが、自分の仕事が大きな社会問題を引き起こしていると明らかになった時、その問題に向き合い、自らの答えを導き出して一歩を踏み出すのはとても勇気が必要。そして、実際にそうしている彼らを僕はとてもリスペクトしています。

このテの話を伝える難しさ

地球温暖化、環境破壊、ゴミ問題、サステナブル、エシカル…… こうした話をすると、とたんに耳を塞ぎたがる人は多いです。

前向きな行動をとるためにまずは現状の問題点にしっかり目を向けることが大切ですが、問題点に焦点を当てることだけを捉えてネガティブな活動だと判断されたり、意識が高い系などと揶揄されることもしばしば。

耳に心地よい話ではないし、自分の生活を変えなければいけないと心配したり、何か一つ行動するだけでもややこしくなりそうな気がするのかもしれません。

大臣就任以来なにかと話題の小泉進次郎環境大臣が国連気候行動サミットの記者会見で「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきです」と発言して物議を醸しましたが、僕は「そのとおり!」と心から思ったんですよね。

これが大臣の発言として正しかったかどうかはさておき、何かと忌避されがちな環境問題を「セクシー=魅力的で先進的なもの」として日本国民が捉え、活動できるようにしていくべきだという主旨の発言と僕は理解しました。

みんなが耳を塞いでしまうような、堅苦しくて、将来を悲観してしまいそうな問題だからこそ、みんなが楽しそう、カッコいい(クール)、魅力的(セクシー)と思えるように活動をデザインしていく必要があるんだ、と。

実際、こうした問題、例えば家庭で出るゴミを減らしたいと思った時、家族でどう取り組み、今の暮らしの中で実行するかを考えてみると、ただただ負担になってしまうような活動なら長続きしない気がするんです。

史上最年少で台湾の行政院に入閣し、デジタル領域の仕事をしている天才プログラマーと呼ばれるオードリー・タン氏は、このように発言しています。

ITの目標は、人間の自然な生活に近づいていくことです。逆にいえば、人間社会がデジタル技術に合わせる必要はありません。例えば高齢者の方がキーボードで入力できないというなら、タッチペンで書けるようにすればいい。(中略)ですから、高齢者はIT社会で何一つ変わる必要はありません。ITのほうこそ、人間に近くなるように調整されるべきなのですから。
—出典:東洋経済「台湾の「38歳」デジタル大臣から見た日本の弱点

環境問題のような難しい話も同じで、ふつうに暮らしているだけで物事が改善できる、知らないうちに生活のスタイルが変わっている、そんな方法が必要なんでしょうね。人が変化や負担を強いられる(と感じさせる)やり方では、解決は困難なのかも知れません。

その点、Borderless Creationsが提案しているモノ・コトはみなファッショナブルで洗練されていて、社会問題解決云々ではなく、ふつうに身に付けたい、使ってみたいと思えるものばかり。

「社会問題を解決するんだから、もっと真面目に、泥臭く、時にはお涙頂戴的な雰囲気でやらないと。お金儲けなんてもってのほか!」みたいな風潮が日本には残っているような気がするんですが、もうそんなの全く不要。

もっと気軽に、肩の力を抜いて、おしゃれに楽しく。小さなことからでも具体的に何かをはじめられるといいなぁと思いますね。

– – –

以下では、僕たちがBorderless Creationsから買ったアイテムをご紹介します。

POUCH/RIMINI RIMINI BAGS

イタリア、アドリア海沿岸のビーチパラソルをアップサイクル(*3)した、RIMINI RIMINI BAGSのポーチバッグ。

トム(妻)が、バッグインバッグとして使いたいと購入。小さ過ぎず大き過ぎずのサイズ感がとてもイイ感じです。

アップサイクルされた製品は、世の中に同じものが一つとして/ほとんどないというのも魅力の一つですよね。

STAINLESS INSULATED BOTTLE/24 Bottles

こちらも、いつも仕事に保温マグを持参するトム所望の品。こちらもイタリアの会社、24 Bottlesのステンレス製保温ボトル。

マイボトルは、プラスチック製のペットボトルの消費を減らすのに効果的なアイテムですよね。

保温マグはたくさんの製品がリリースされていますが、この24 Bottlesのアイテムはとてもシンプル、且つエレガントなデザインが特徴。

一点、もしできればキャップは木目風ではなく、例えばコルクなどを使ってほしかった!

BAMBOO STRAWS/TOOTH BRUSH

さて、こちらのアイテムはなんだと思いますか?

正解は竹でできたストロー! スウェーデンはストックホルムのThe Humble Co.という会社の製品です。


竹でつくられているので1本1本、外径が異なります

最近、娘がお茶や牛乳をストローを使って飲みたがるということもあり、買ってみました。

試してみたところ、一般のストローに比べて吸引力が必要だと感じましたが、娘は苦もなく使いこなして牛乳を飲み干していたので、幼い子どもの使用にも問題ないかと。

最後は同じThe Humble Co.の歯ブラシ。友人夫妻が昨年、鳥取に遊びに来てくれたのですが、その時にお土産としていただいたもの。

持ち手の部分が竹、ブラシはデュポン社製のナイロン6でつくられています。

持ち手部分は竹の素材感を活かしたデザインのため同じですが、ブラシのカラーが選べるのがユニーク。見てるだけでも楽しい気持ちになります。

自宅で日常使いするにはややお値段が高い気もしますが、一つひとつ箱に入って売られていますので、ちょっとした贈り物にもなりそうです(ちょうど僕たちがそうであったように)。

– – –

というわけで、Borderless Creations、チェックしてみてください!

*1 SDGs: 国連開発計画(UNDP) Sustainable Development Goals
*2 参考記事:BUSINESS INSIDER 「大量の水の使用、そして85%はゴミに…ファッション業界は環境へ大きな影響を与えている」/ FASION REVOLUTION 「ファッションと環境問題
*3 アップサイクル:もともとの形状や特徴などを活かしつつ、古くなったもの不要だと思うものを捨てずに新しいアイディアを加えることで別のモノに生まれ変わらせる、所謂”ゴミを宝物に換える”サスティナブルな考え方(出典:一般社団法人 日本アップサイクル協会「アップサイクルとは
今回ご紹介した製品のページ:
RIMINI RIMINIG BAGS POUCH
STAINLESS INSULATED BOTTLE
BAMBOO TOOTH BRUSH(Rainbow)、Kids

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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2件のフィードバック

  1. curu-curu より:

    実際に行動し、発信する側に立つというのはなかなか勇気のいることですよね。
    awさんとご友人夫妻のアイデアに深く共感します。

    わたくしごとで恐縮ですが、来月地元のイベントでコーヒー屋さんを出店します。
    去年も同じく1cup100円でコーヒーを販売しました。そのときにコーヒーはたくさん売れて嬉しかったのですが、大量の紙コップがゴミになってしまい、それがずっと心に引っかかって課題として心にずっと残っていました。
    そこで今年の出店にあたり、何かよいアイデアはないかといろいろ調べていたところ、このような記事を見つけました。

    脱・使い捨てプラに「森のタンブラー」が効く!
    https://getnavi.jp/life/435198/

    独コーヒーショップに広がる「デポジット制タンブラー」の波
    https://tabi-labo.com/279208/coffeetogorefillit#header-menu

    このふたつのアイデアを応用して、ファイバー製のオリジナルコーヒーカップをつくり、1cup300円・リフィルは100円で限定数を設定して販売してみようと思います。
    原価ギリギリなのですが、オリジナルのカップをつくる! という楽しみもプラスされて、今からとてもワクワクします。

    ご友人夫妻の提案されているBorderless Creationsのアイテム、どれもとても魅力的ですね!
    「みんなが耳を塞いでしまうような、堅苦しくて、将来を悲観してしまいそうな問題だからこそ、みんなが楽しそう、カッコいい(クール)、魅力的(セクシー)と思えるように活動をデザインしていく必要があるんだ、と。」
    まさにawさんのこの言葉がカタチになったという感じがします。

    わたしも先のファイバーカップについて調べていたときに竹の歯ブラシをみつけて、今の歯ブラシを使い終わったら購入してみようと、ほしいものリスト入りしています笑。
    よろしければご参考まで。
    https://www.amazon.co.jp/dp/B07X8VWVHQ/

    10本入りで1500円とお手ごろな価格なので自分づかいにはこちらにして、友人への贈りものにはawさんが紹介してくださったThe Humble Co.というのもいいなぁと考えています。

    • aw より:

      curu-curuさん、コメントありがとうございます😊

      説教くさくなりがちな話題をいかに楽しいものに変えて発信していくかというポイントは、問題にフォーカスしているとついつい忘れてしまいがちで、当ブログでも気にしているところです。キャンプはもちろん、日常の体験のなかで自然と感じ、学べるような仕掛けがもっともっと増えていくといいなと思いますし、自分たちでも考えていかねばと。何かしらのヒントを与えてくれそうなBorderless Creationsの活動に今後も注目していきたいと思っています。

      「森のタンブラー」「デポジット制タンブラー」、素敵なアイディアですね〜。
      参加されるイベントにこうした要素をプラスして実行されようとしているcuru-curuさんも素晴らしい! おっしゃるように、義務や責任としてではなく、楽しむというスタンスで取り組むとワクワク要素に変わりますよね✨

      竹の歯ブラシ、コレ安くていいですね笑。自分用とギフト、使い分けにいいかもですね。僕もほしいものリストに加えておきます👍

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