自転車に青切符が適用される件で

ご存知の方も多いと思いますが、この春(令和8年・2026年)から16歳以上の自転車の運転に対して、交通反則通告制度、通称「青切符」※1が適用になります。

対象となる違反行為、その数113

えー、そんなにたくさん覚えられないし、そもそも何が違反か分からない。その情報、どこにあるの? という僕のような方は、警視庁が発行している「自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】」をご覧ください。違反行為一覧はもちろん、今回の制度導入の背景から自転車に乗るにあたって注意すべき点、具体的な違反の事例まで網羅的に示されていて、読むと結構面白いです。




以下、主な違反行為を掲示してみます(【自転車ルールブック】資料1を基に構成)。

反則行為と反則金
違反行為 反則金
携帯電話使用等(保持) 12,000円
放置駐車違反 9,000円~12,000円
遮断踏切立入り 7,000円
速度超過 6,000円~12,000円
駐停車違反 6,000円~9,000円
信号無視 6,000円
通行区分違反
追越し違反
踏切不停止等
交差点安全進行義務違反
横断歩行者等妨害等
安全運転義務違反
優先道路通行車妨害等 5000円
徐行場所違反
指定場所一時不停止等
幼児等通行妨害
安全地帯徐行違反
通行帯違反
進路変更禁止違反
割込み等
緊急車妨害等
交差点等進入禁止違反
無灯火
減光等義務違反
合図不履行
警音器吹鳴義務違反
乗車積載方法違反
整備不良
泥はね運転
転落等防止措置義務違反
停止措置義務違反
通行許可条件違反 3000円
歩行者用道路徐行違反
急ブレーキ禁止違反
法定横断等禁止違反
路面電車後方不停止
刑事処分対象の重大違反
違反内容 罰則
過失建造物損壊 6月以下の拘禁刑
又は10万円以下の罰金
酒酔い運転 5年以下の拘禁刑
又は100万円以下の罰金
麻薬等運転
妨害運転(著しい交通の危険) 5年以下の拘禁刑
又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転 3年以下の拘禁刑
又は50万円以下の罰金
過労運転等
妨害運転(交通の危険のおそれ)
携帯電話使用等(交通の危険) 1年以下の拘禁刑
又は30万円以下の罰金
救護義務違反 1年以下の拘禁刑
又は10万円以下の罰金
飲酒検知拒否等 3月以下の拘禁刑
又は50万円以下の罰金
通行禁止違反等 3月以下の拘禁刑
又は30万円以下の罰金
警察官現場指示違反 3月以下の拘禁刑
又は5万円以下の罰金
違法駐車命令違反
事故不申告 5万円以下の罰金
自転車検査拒否
講習受講命令違反 2万円以下の罰金
又は科料

新しく違反行為が追加されたというわけではなく、既存のものに対して反則金が設定されたという感じのようです。

歪な状況

自転車って、技術的に乗ることさえできれば、子供からお年寄りまで誰もが使える便利な乗り物ですが、道路交通法では車両として扱われ、法律を順守した利用が求められています。しかしこれまでは事故が起きないかぎり、違反行為に対して責任を追及されることはほとんどありませんでした。自転車が車ほど危険ではないと考えられてきたからです。道路交通法の「ど」の字も知らない人でも乗ることができ、教育を与える/受ける義務が誰にも課されていないのもそれが理由だと考えられます。

しかし、先述の自転車ルールブックにも示されているとおり(p8、9)、交通事故が全体として減少傾向にあるなか、自転車が絡む事故は横ばい、対人事故についてはむしろ増えていて、自転車の交通違反に対する検挙件数も爆発的に増加しています。

自転車に絡む事故が増えていることを鑑みて警察は取り締まりを強化、結果、検挙件数が増大しているという流れなのですが、現在(2026年3月まで)は自転車の交通違反で検挙となると赤切符=刑事手続による処理となり、警察にかかるリソースが急激に増大していることが、このたびの青切符導入(販促金を支払うことで刑事手続に移行しない)の背景のようです。

一方の僕たち自転車利用者側は、ルールを誰も教えてくれない、誰にもその義務がないなかで、自転車は自由に乗っていいですよ、ただし違反時は反則金支払ってくださいね、という歪な状況に置かれるということになります。つまり、知らなかったから仕方ないでは済まされず、利用者自らが学んで実践する必要があるというわけです。

なぜ必要なのか

考えてみると、本来、自分を危険から守るためにルールを知り、順守するのであって、反則金を支払うのが嫌でルールを守るということではないわけですよね。

よくヘルメットをハンドルに引っ掛けて自転車に乗ってる学生を見かけます。学校や家の近くでかぶったフリをして学校職員や親のチェックをかいくぐっているのでしょう。何のためにそれが必要なのかを理解していないと、そういうことになります(危険を承知で、髪型を守り抜きたい年頃であることは分かります)。

ですが、自動車のシートベルトが義務化されたのを契機に安全意識が高まったことを考えると、ルールが先行し、その後、僕たちの意識が変わっていくという順序の方が社会実装率も含めて早いのかも知れません(とはいえ、今から20年近く前に義務化された、後部座席のシートベルト着用義務を知らない人たくさんいて、実際にシートベルトしない人もたくさんいるのを見ると、なかなか難しいところなんでしょうが)。

ちょっと話は逸れますが

この記事を書いていて、ふだん近所を自動車で走っていて不思議に思うことがあったのでここに書いてみます。

以下は鳥取市内の2つの交差点です。鳥取市在住の方には分かりますかね?

ちょっと分かりづらいので補助線を入れてみます。

まだ分かりづらいかもですが、これらは「一時停止してから左に曲がる」同じ種類の交差点です。しかし、面白いことに、この交差点を曲がる自動車を観察していると、左(スマホで見ている場合は最初に表示される)側の交差点の場合、右ウィンカー(合流の合図)を出す自動車が大多数、そしてもう一方の交差点の場合はほぼ100%の自動車が左ウィンカー(左折)を出して曲がっていくのです。

同じ種類の交差点なのに、出すウィンカーの種類がまるっきり異なるわけです。

おそらく前者は、ほとんど並行の道路から(角度のない状態で)曲がるため感覚的に「合流」が正しいと感じるのだと思いますが、後者は前者と比べると比較的角度がついているので「左折」と感じるのだと思います。

しかしこれらの交差点はいずれも「左折」が正解です。一時停止する場合は左折(または右折)、一時停止しないのが合流だからです(高速道路の合流を考えるとイメージしやすいのでは)。

今回の例の場合、道路の角度の違いから運転者によって合流、または左折と判断が分かれているのですが、運転手の感覚によって変わってしまってはいけないと思います。

こうした勝手な解釈は自動車に限らず、というより自転車の世界のほうがより多い気がします。みんな自由に、好きなように公道を走り回っているわけですから。しかしそのカオスの世界も間もなく終わりを迎えます。

このたびの自転車の青切符導入にともなってあらためて何が正しくて何がダメか、つまり何が危険な行為なのかを知る必要があると感じています。親である僕がそれを正しく理解していなければ、自転車に乗って出かけることが増えてきた娘に教えることができませんし。

  1. 交通違反をした場合の手続を簡略化するための仕組みで、一定期間内に反則金を納めると、刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けないで事件が処理されます。この時、発行される交通反則通告書がいわゆる「青切符」と呼ばれます。出典:自転車の新しい制度

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Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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