物を減らす(捨てる)のは大変という話

今年のゴールデンウィークは、不用物の廃棄からはじまりました。

以前、母家(僕らが住んでいる部分)の修繕と片付けはだいたい終わったので、次は庭の物置小屋だみたいな記事を書いたんですが、その後も不定期ながら何かしら廃棄物は出ていて、多少気合を必要とする廃棄作業が少なくない回数、生じています。

これは古い家 — 前の住人の荷物がそのまま残っているような家 — に暮らす者の宿命みたいなものです。我が家の場合、ここに残置されていた大量の物は、僕の祖父母が生前使っていた家具や日用品であり、僕の父にとっては両親の思い出の品。僕が「こんなん要らないっしょ」と無下に扱ったり無断で廃棄するのはやはり気が引けてしまい、これまで手付かずだった部分もやはりあるわけです。




しかし、今の家に暮らしはじめて早や6年。先述のような忖度、気遣いも僕の中で徐々に薄れてきて、今まで整頓だけで終わっていた部分をエイヤとごっそり捨てる、なんてことも増えてきました(時々、父にも相談しつつ)。

今月は、ガレージの拡張計画に伴って潰してしまう部屋に置いていた不用な家財 — 6人サイズの食事用テーブル、6〜8人ぐらいで囲める大きな座卓、PC用デスク、オフィスチェア、着物箪笥、畳(6枚)— をまとめて廃棄しました。一度にお願いできる数量が決まっているので、実際には2回に分けて処分したんですが。

今回の大型ゴミ処分にかかった費用は8000円弱です。

処分費用が安過ぎる

この費用をどう思われたでしょうか?

正直、僕は「安過ぎる」と感じました。もちろん8000円という金額自体、決して安いものではありません。しかし、物を捨てる費用として考えると、安過ぎるなと。

そもそも日常的に出るゴミは、ほとんど無料(タダ)で出すことができます。最近は指定のゴミ袋を購入しなければいけないし、収集や処分費用は税金で賄われているので無料ではないんですが、僕たちはほとんど無自覚に、日々、大量のゴミを生み出しています。

もしも指定ゴミ袋が1枚1000円になったら、僕たちはいかにしてゴミを減らすかを真剣に考え、様々なアイディアを試行錯誤するはずです大型ゴミなどは、購入金額とほぼ同等の負担でもいいかも知れません。

何かを購入するというのは経済活動の基本ですし、これを躊躇させるような施策はよくないと思うんですが、でもそんな過激ことを考えてしまうほど、僕たちは何かを買う時に、それを捨てる時のこと、処分時にかかる社会や環境に対する負荷についてほとんど考慮しません。

かくいう僕も、この家に住みはじめて、ひたすら不用品の処分を繰り返す日々の中でようやくそのことに思いが至った感じなので、ふつうに暮らしている人にそんなことを考えろというのが無理な話というのは分かるんですが、所有することの責任みたいなものは何かしらの形で感じるべきじゃないのかなぁ、とか。

余談ですが、鳥取市が平成19年(2007年)に導入したゴミの有料指定袋は、税収を増やす(ゴミ処分関連費用に充てる)ため、そしてゴミの減少を狙ったものです

鳥取市の家庭ごみと人口
鳥取市生活環境課から提供いただいたデータをもとにawが制作

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このグラフを見ると、平成19年から20年にかけてゴミの量がぐっと減り、その後平成28年ぐらいにかけて緩やかにゴミの量が減っていっているのが分かりますが、その後はほぼ横ばいとなっています(ゴミの量の減少で言えば、平成16年以前と17年以後の差が顕著です。何があったんでしょうね)。

物を増やさない生活は難しい

買い物ってのは本当に楽しいものですし、これから何かを買おうって時に、その買うものを捨てる時のことを心配する、つまり楽しくないことを考える人なんていませんよね。買い替えなどで古い物を処分する必要がある、というパターンはあっても、新しく買うものが将来処分が必要になるという事実についてそのタイミングで深く考えることはないわけです。

買い物は楽しいし、新しく買った物は生活を便利にしてくれるし、物が増えると生活が豊かにな(った気もす)る。それで僕たちの生活空間にはどんどん物が増えていきます。

友人が家を建てたり引っ越したりして、訪問してみると物が少なく、我が家と違ってスッキリとした空間に羨ましさを感じることも多々あったわけですが、長くそこで暮らしているとどうしても物は増えてしまうようで、現在は我が家の方が少ないのでは? と思ってしまうこともしばしば。

我が家の場合、住みはじめた時から自分たちの所有物以外の物がたくさんあったので、とにかく捨てることに集中してきたわけですが、それがひと段落するとやっぱり増えてきました。例えばフライパン。以前は3つしかなかったのに、今は7つぐらいあります(笑)。

古い家で快適に暮らすためには、僕の考えでは、とにかくこまめに掃除をして清潔さを保つことと、常に整理整頓すること、物を増やさないこと、この3つが特に重要だと思っています(それができているかどうかは別問題です)。

我が家の場合、使っていない部屋が幾つかあるので、収納する場所を大きな部屋に変えたり、一つで足りなければ複数使えばいいという考えも生じてきます。けれどそれは、ゴミが増えたら何も考えずに大きなゴミ袋を買うのと同じで、僕には意思のない行為に思えるんですよね。

キャンプも同じ

キャンプも同じで、物を使い過ぎない/持ち過ぎない、物に頼り過ぎないことが大切だと感じています。そしてキャンプ地でゴミを出さないよう工夫することも。

  1. 鳥取市の大型ごみの回収は、一度に5つまで。
  2. 平成16年11月1日に鳥取市、国府町、福部村、河原町、用瀬町、佐治村、気高町、鹿野町、青谷町は合併して鳥取市となりました。出典:鳥取県
  3. 不法投棄も増えるリスクは高るでしょうが……。

家庭ごみの有料指定袋について
https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1267521075590/index.html
https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1190878836403/simple/common/other/5b6a73c5002.pdf
鳥取市人口の推移
https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1191459294170/index.html

指定ごみ袋の有料化は
平成19年10月

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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