昔のブログ記事を掘り起こしてみた

小説や新聞をゆっくり読みたい時は、コーヒー1杯で2時間くらいのんびりできる(粘れる)お店に行きます。

先日も2日分の新聞を持ち込んでじっくり読んでいたら、隣のテーブルにカップルが座りました。おそらく2人とも大学生。比較的お店が空いていて静かだったこともあり、彼らの会話がはっきりと聞こえてきます。会話の内容は僕の興味関心から非常に遠いところにあるものばかりでしたが、どうしても意識がそっちにいってしまい、新聞に集中できません。

しかし、そうこうしているうちに客が増え、店内はかなり賑やかになってきました。騒音レベルで言えば、大学生カップルと僕だけの時の倍くらいにはなっている感じ。ところが不思議なことに、騒々しい方が新聞に集中できていることに気づきました。大学生カップルの会話が周囲の声や音と混じりあって何を話してるのか聞き取れなくなり、会話ではなく単なる音になったことにより、活字に集中できるようになったわけです。

そんなことを考えながらコーヒーを飲んでいたら(結局、新聞には集中できていない)、ふと、2009年の冬に書いたブログのことを思い出しました。

その夜、僕は友人に会うために東京の自由が丘に来ており、約束の時間まで暇をつぶすため、とあるカフェにいました。そこでコーヒーを飲みながら、たまたま同じ空間に居合わせた人たちを観察しながら、その場でパソコンを開いて書いた記事です。

久しぶりに読んでみると、本当にどうでもいいことを書いているんですが、あの時の記憶が、飲んでいたコーヒーの香りや温度、隣のテーブルに座っていたおしゃれなカップルの顔までハッキリと思い出されて驚きました。今までこの記事の存在すら忘れていたのに。

というわけで、いつでも読み返せるようにという僕のためだけの目的で、その記事を転載したいと思います。

・・・

(2009年12月19日)

田園都市線の某駅で、人待ちのため入ったカフェ「D(仮)」で頼んだカフェ アメリカーノは、とてもおいしい。甘い香りはほどよい厚みで、味もスッキリしているのに芯がある。そして何より温かい(今夜はすごく寒い!)。

「D」は土着的な店のようだ。

僕が入ったとき、10名そこそこで満席になってしまいそうな小さな店には誰もお客さんがいなかったが、すぐに女性がひとりでやってきた。

続けて初老の女性ふたりがスーパーの買い物袋を提げて入ってきた。ふたりはカウンターに座ってカクテルを注文し、お店の人と親しげに話し始めた。

お店の主人と思しき男性は、ポマードで髪型をばっちり決め、センスの良いTシャツを着た、どこかゴールデンレトリバーに似ているハンサムな男性だ。お店は昔ながらの喫茶店ではなく、内装から音楽までこだわりのある(と推察される)カフェである。建物もこの店のために建てられた木造の小さな小屋で、丁度よいボリュームのイルミネーションで飾られた外観は、映画の舞台にしたいくらい雰囲気がある。

このようなお店にふたりのような初老の女性が、夜10時にさらっと入ってきて足元に買い物袋を置き、カクテルを楽しむなんてどうなのだろう……格好良すぎないか。よく見ると、スーパーに買い物に行くだけにしては洋服が洗練されている気がする。

僕のコーヒーカップが半分くらい空いたころ、品の良さげなカップルが入ってきて僕と同じ並びのテーブルに座り、しばしの検討後、エビスの黒生とスパークリングワインを注文した(注文内容がイカすね)。

テーブルにドリンクが届くタイミングで女性が、「●●●と□□□を半分ずつにできますか?」と質問し、お店の主人は「できますよ」と答えて、カウンターの奥に入っていった。●●●と□□□が何なのかも分からないが、メニューを平気でカスタマイズする客としての強さに憧れる。出された料理がおいしそうだったら、いつか同じようにして注文してみよう。

また別のカップルが来て、カフェオレをテイクアウトで注文した。出てくるまでの間、初老のふたりと談笑している。

隣りのカップルはお店の人を呼び、今度は白ワインをデカンタで頼んだ。僕は赤ワインのほうが好きだな、などと考えながら、彼らが話す海外移住した友だちの話を聞いてないふりで聞く。でも誰の話をしているのか分からないから、面白くはない。

店は混み合うわけでもなく、お客さんが少ないわけでもなく、ほどよい人口密度だ。みんな声のトーンを抑え目にして話をしていたので、クリスマス風にアレンジされたジャズ音楽がきちんと聞こえてきた。今年のクリスマスは、母親とランチデートの予定しか入っていない。

待ち人が来るまでまだ時間があったので、僕はもう1杯、カフェ アメリカーノを注文した。こんなお店でラップトップを開いてカチャカチャやっているなんてダサ過ぎる。そのことに今、気づいたので、そろそろ電源を落とそう。

音楽を聴くわけでも、本を読むわけでも、ガジェットをイジるわけでもなく、ただただコーヒーと冬の夜のひとときを楽しむ。そんなイカした男を演じることにしよう。

  • このブログのはるか以前、2000年代に更新していた僕個人のブログ(日記)。現在は閉鎖しています。

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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