防災グッズ(非常用持ち出し袋)について考えてみた [後編]

防災グッズ(非常用持ち出し袋)について考えた前回は、リストづくりで終わりました。

  1. 内容が不明瞭なアイテムの具体化
  2. 準備できていないアイテムの調達
  3. パッキング

今回は、残りの2つのステップです。

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2.準備できていないアイテムの調達

リストアップしたアイテムのうち、手元にないものを入手します。すべてを紹介するとあまりに長くなるので、ここでは特に重要と思われるものに絞ってみます。

災害時にもっとも大切なことの一つが「正しい情報を得る」こと。これに大いに役立つと多くの方が書いているのが「ポータブル(携帯)ラジオ」です。

それから、ケータイは定期的な充電が必要なので、一般的な電源以外の充電方法も確保しておいたほうが安全。もし避難所などが使えても、そこにあるコンセントの数と、利用する避難者が使うケータイの数の差を考えれば、モバイルバッテリーやソーラーチャージャーが欲しいところ。モバイルバッテリーは一つ所有しているので、ソーラーチャージャーを準備する必要があります。

そして、食料品

ポータブルラジオ

いくつかの製品をチェックしてましたが、小型軽量、感度(レビューを参考に)、シンプルなデザインという観点から「東芝 ワイドFM/AMラジオTY-APR3」を選びました。

CAMP HOUSE/東芝 ワイドFM/AMラジオTY-APR3

災害時に多分合わせるであろう、NHKのAMにチューニングしてみました。周波数が合うと同調ランプが点灯し、ラジオが聞こえてきます。災害情報を聞くためのデバイスであって高音質を求めるわけではないので、必要十分な音質と感じました。

ちなみに、AM用のアンテナは内蔵。FM用アンテナは同梱のイヤホンが兼任しますが、スピーカーとイヤホン、どちらで聞くかは選択可能です。

ソーラーチャージャー

ソーラーチャージャーについては、以前から必要だなと思っていたんですよね。キャンプ中に「あ、スマホの電源がない! モバイルバッテリーも空だ!」みたいなことが結構ありまして……。

今回は、手頃な価格、シンプルながら防水・耐衝撃設計、レビューの良さなどから、「PowerGreen® モバイルバッテリー HW-SO7-Black」に決定。

CAMP HOUSE/PowerGreen モバイルバッテリー HW-SO7-Black

説明書は英語ですが、使い方は非常にシンプルなので読む必要なし。付属のUSB/マイクロUSBのケーブルを使って、コンセントやPCなどから蓄電することもできますし、日の当たるところに置いておけば勝手に蓄電してくれます。

届いたばかりなので耐久性などの確認はこれからですが、スペック上10000mAhの容量がありますので、満タンにしておけば計算上はiPhoneなどのスマホを3〜4回フル充電することができます。

このあたりは、使用後に機会があれば当ブログでレビューしてみたいと思います。

食料品

1日3食を3日間、合計9食を人数分、ウチの場合は僕とトム(妻)の2人分となると、合計18食。ごはん18個、味噌汁18個、合計36個と、かなりのボリュームになります。

ですが、これだけだと最初はよくても、2日目あたりからもう少し満足感が欲しくなりそうな予感がします。

そこで1日に1食だけ、カレーを加えることにしました。ごはんや味噌汁と同じく、お湯を注ぐだけで食せるタイプのものに。

結果、以下のようなラインアップになりました。

CAMP HOUSE/非常用持ち出し袋に入れる食料品

実際に食べてみた

白飯、豚汁、カレーをすべて試食してみました。

つくって思ったのは、結構な湯量が必要になる、ということ。検討段階で気づくべきポイントだと思いますが、うっかりしていました。

1日分の湯量を計算してみると、(白飯:2人×3回)+(豚汁:2人×3回)+(カレー:1回)=13食で、1食あたりの必要な湯量が150mlですので、ほぼ2Lが必要になります。3日分となると、飲料水とは別に6Lの水が必要となるわけです。

1回の食事で考えても、白飯と豚汁2人分とカレーを食べる場合、750mlのお湯を沸かす必要があり、これはなかなかのエネルギーが必要だなと。

食料品については、再考が必要だと感じています。そして、今回リストアップしたアイテムにお湯を沸かすためのポットがないことにも気づいたので、追加しておかなくては(汗)。

味については、非常食としては3つとも及第点。特にカレーは美味しくいただきました。

賞味期限は、米(アルファ米)は2022年までとあと6年ありますが、味噌汁やカレーはおよそ1年。非常食の賞味期限切れはよく聞く話ですから、Googleカレンダーなどにスケジュールしておいて、期限が来る前に新しいものを購入、古いものは(キャンプなどで)食べきってしまうようにするなど、工夫が必要ですね。

お菓子

また、被災者の方々のブログを読んでいると、多くの方が「被災して心が荒んでしまっている時に心を癒してくれたのが小さなビスケット1枚だった」、「絶対に甘いものを準備しておいたほうがいい」など、お菓子の重要性も説かれていましたので、こちらを購入。

CAMP HOUSE/非常用持ち出し袋に入れる食料品(ビスコ)

トム(妻)がさっそく目を光らせていましたが、保存食用だと説得しました(笑)。

3.パッキング

さて、以上のものを含め、非常用持ち出し袋に入れるアイテムを並べるとこんな感じになります。

CAMP HOUSE/非常用持ち出し袋に入れるアイテムを並べてみた

想像してはいましたが、なかなかのボリューム(飲料水は重量があり、容積もかなりのものになるのでザックには入れず。ロープは選定中。子ども系のアイテムは別途パッキング)。

収納するザックは、10年前くらいに買い、様々な山やハイク、キャンプや旅行の相棒で、今も現役で頑張ってくれているArc’teryx(アークテリクス)のBora35。厚手の生地に防水仕様(=完全防水ではありません)の質実剛健系で、被災時をサバイブするためのザックとしては申し分なし。

用意したアイテムが全て入るかどうか心配でしたが、何とか入り切りました。

CAMP HOUSE/非常用持ち出し袋

ずっしり。ゆうに15kg以上はあります。

救急セットや照明器具、レインウェアなどは、すぐに取り出せるよう場所に入れてあります。

リストにあったシュラフはかなりの容積をとりますし、季節的に冬期用シュラフは必要ないと判断。もう少し気温が低くなってきたら、アイテムリストを再検討することにし、今回はパッキングから外すことにしました。

残りのアイテム

は、3人が3日間使うことを考えれば、食料品の内容を見直しても、最低10Lは必要です。また緊急的に飲むもの=持ち出し袋に入れておくものと、避難後に使うもの=大量なのでどこかにデポしておくもの、二通りに分けて考えておいた方が良さそうです。

ロープについては、非常用持ち出し袋に収める道具に含めるべきかどうか迷うアイテムではありますが、災害現場では何かと役に立ってくれるはず。できるだけ軽量で丈夫な、クライミング用のものから選定中です。

水の備蓄に対しては確実に必要ですが、家の中、あるいは外、いずれにしても避難後に確実に回収できるような場所にデポしておくことを検討してみたいと思います。デポできれば、ロープや、パッキングの容量の関係でリストから除外したシュラフその他も、入れておくことができるからです。

「子ども系」のパッキング

「子ども系」アイテムの「紙オムツ」と「離乳食」、「ウェットティッシュ(顔、手、尻拭き)」ですが、これらも3日分の必要量を計算して用意し、モンベルのベビーキャリアにパッキングしました。

災害時に車で移動ができない場合などは、ベビーキャリアが重宝するはずですし、ふだんそれほど使用することのないアイテムですから、「子ども系」アイテムのパッキングには最適ではないかと思います。

ただし、子どもはどんどん成長するので、定期的な見直しがより大切になってきますね。パッキングしているものが、すぐに無用になってしまいますから。

非常用持ち出し袋をつくってみて

リストをつくっている時から感じていたことですが、非常用持ち出し袋には、キャンプ道具はそれほど含まれないですね。

今回リスト入りしたストーブやタープ、シュラフなどはキャンプ道具ですが、レインウェアや防寒着はキャンプをしない人でも持っているものですし、その他のアイテムは日用品が多く、意外と身近なものばかり。

キャンプ道具であろうがなかろうが、何が必要かを整理し、パッキングして、何かあった時にすぐに持って避難することができるように準備してあることが重要で、それが家にあるだけでは有事の際にはあまり意味がないことに気づかされました。

事後に、家の中にあるアイテムを取りに戻る余裕があるようなら、被災状況としてはそれほど厳しいものではないような気がするので、そもそも非常用のアイテムを使うほどの状況ではないと想定できるからです。

今回は、何とか3日間、家族を守るためのツールとして検討し、まとめてみました。もちろん、これで完成、終わりではなく、季節の変わり目など定期的に内容を見直して、過不足を確認する必要があると思いますし、実際、そのようにしていきたいと思っています。

始める前はなんだか面倒だなと少し思ったりしていたのも事実ですが、旅行の準備と思って取り組むと、なかなか楽しめると思いますよ。

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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