鳥取市の無料耐震診断を申請してみた

僕たちが暮らしている家(T町ハウス)は、僕の祖父母が生前暮らしていた家で、僕の生家でもあります。僕は来年で50歳になるので、T町ハウスは少なくとも築50年以上※1は経っていると思われます。

これまでこのブログでは、この家の危険性 — 耐震性の低さについて何度か触れてきました。また、T町ハウスそのものの耐震性だけでなく、両隣に立っている古いビルのそれにも懸念があるため、設計を依頼した建築家に「ここでは家を建てないほうがいい」と、この土地に建てる家の設計を断られた話も紹介したこともあります。

それでもさまざまな事情からT町ハウスに暮らしている僕たち一家なのですが、このたび、実際に我が家の耐震性はどれほどのものなのか調べてみよう、ということで専門家に診断してもらうことにしました。




耐震診断とは、耐震技術認定者※2によって住宅の耐震性を調査してもらうことです。

診断結果に基づいて弱点を補強するなど地震に強い家につくり変えることが最終的な目的となりますが、対策にかかる費用の多寡によっては、その家で暮らすことを諦めたり、部分的に補強したり、リスクを認識したうえで住み続けるなど、診断後にとる選択肢は状況によって様々です。

いずれにしても、「うちは古いけど、柱や梁は太いから大丈夫なはず」「地震がきても多分我が家は壊れないだろう。今まで大丈夫だったのだから」と根拠なく安心したり思考停止するのではなく、現状やリスクを正しく知ることが大切なのかなと思います。

鳥取市の無料診断に申請してみた

とはいえ、耐震診断は気軽にできるようなものではありません。なかなかの費用がかかるからです。

我が家のような木造住宅の場合12万〜25万円程度、鉄筋コンクリート造や鉄骨造であれば更なる負担が必要です※3。補強工事が必要となれば、さらに百万円単位の費用がかかります。

我がT町ハウスの場合、建築家の友人に、自分は専門家(耐震技術認定者)ではないけどと前置きされたうえで、この家を全面的に補強工事するとなれば、おそらく新築と同等かそれ以上の費用が必要になるのではないか、と言われています。ものすごい金額ですよね。

古い家の住人の多くは高齢者です。この先それほど長くないし継ぐ人もいないのだから高いお金を払って耐震診断したり耐震補強工事する必要はないと彼らが考えるのも無理はありません※4

鳥取市の無料診断に申請してみた

こうした状況を踏まえ、費用の全部または一部をサポートし、耐震診断や補強工事をうけるよう促す行政は少なくないようで、僕たちが暮らす鳥取市にも同様の補助があります。幾つかの条件はありますが、耐震診断を無料で受けられたり、工事費用などを補助してもらえるとのこと。

耐震診断についてはT町ハウスに暮らしはじめた頃から考えていました。が、すっかり失念していて、ようやく昨年、この無料の耐震診断に申請しようとしたところ既に申請期間が終わっていたため、今年は申請期間開始と同時に申し込んだ次第です。

申請のハードルは高くない。が、

さて、実際に申請してみたのですが、鳥取市ホームページの当補助に関するページ、説明の書類などにサクッと目を通してササッと申請! というわけにはいきませんでした。

申請が終わった今の実感としては、そこまでハードルが高いとは思わないものの、不動産の所有者や建築時期(竣工年月)、構造・面積・階数を示すための書類の準備が難しい人もいるかも、という印象。所有者に毎年送られてくる「固定資産税納税通知書(家屋)の写し」か、または法務局に行って※5登記事項証明書(建物)を取得すればほぼ準備完了なわけですが、「え、ホームキョク?」となるのが一般ピープルの感覚(ですよね?)。

この2つが準備できない場合は、その他複数の書類を組み合わせて提出する必要があります。そして我が家の場合、所有者(父)と申請者(僕)が異なっているので、両者の関係性を示すための戸籍抄本も必要でした。

実際に提出した書類は以下のとおりです。

  • 申請書(外観写真を添付)
  • 登記事項証明書(建物)
  • 付近見取り図
  • 戸籍抄本

今後の流れ

今後は、鳥取市が我が家の耐震診断をしてくださる業者※6を選定し、その業者からの連絡が8月ごろになる見込み。業者といつ診断するかを決めるのですが、だいたい9月〜10月になり、11月〜12月には診断結果が知らされる、という流れになるようです。

行政から業者に経費が支払われるとはいえ、受益者=診断を受ける僕たちの負担はゼロ=無料ですから、耐震診断自体は比較的簡易なもの=床や壁をはがして構造を確認するといったことはなく、目視できる範囲での確認と診断、となるようです。

この件の進捗や、実際の診断の様子はまた別途共有していきたいと思います。

ちなみに、自宅の耐震性について、WEB上で簡単に診断できるサービスもあります。10点満点で我が家は5点、「心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう」でした。気になる方は試してみてください!

  1. 今回の耐震診断の申請で必要になった「登記事項証明書」によると、台所や食堂、風呂場や便所が集中している平屋部分は昭和38年(1963年)に建てられたことが分かりました。今年(2023年)で築60年となります。
  2. 耐震技術認定者:「耐震技術認定者講習会」の受講資格は、一級・二級・木造建築士、または木造建築工事業の実務経験が7年以上と会社が認めた者。講習を受けるだけでなく、考査試験に合格しなければ耐震技術認定者にはなれず、3年ごとの更新受講を義務付けています。出典:木耐協
  3. 日本建設業連合会「耐震診断費用の目安
  4. 不動産ジャパン 「耐震補強工事を考えにくい理由、1位は補強費用が高い
  5. オンライン申請も可能です。法務省「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です
  6. 鳥取県「鳥取県木造住宅耐震化業者の公表について

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Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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