居住空間学2023(BRUTUS 5月15日号)
連休中、家族で図書館や書店をハシゴしていた時にふと目に入った雑誌、BRUTUSの23年5月15日号。
若い頃はCasa BRUTUSとあわせて定期購読するほど熱心なBRUTUS信者(読者)でしたが、いつの間にか雑誌というメディアそのものと僕の生活の距離がひらいていて、書店で見かけても手に取りすらしないようになっていました。しかしそれでも同誌が年に一度企画する「居住空間学」を掲載する号だけは、毎年買っています。
かつては建築やインテリアに強い関心を持っていたので毎号楽しみに貪るように読み込んでいましたが、雑誌を読まなくなった理由と関連があるのか、この企画の号を買いこそすれ、ページをめくっても以前のような興奮や満足感を得られなくなっていました。
がしかし! 今号は久しぶりに興奮しました! 僕がキャンプハウスを妄想するキッカケとなった小林節正さん※の山の家が掲載されていたからです。
テントサイト兼薪棚としてのデッキからはじまって、リビング空間を持つなど住宅に近づいてきた2023年現在までの17年間の歴史、小林さんのこの場所との向き合い方、これからのことなどが語られています。
どこかテンポラリーな、刹那的な楽しみを求める場所としてスタートしたものが、費やしてきた長い時間と体験からこの山の家に対する思いや態度に変化が生じ、「物語の先を探る」とより強くコミットするに至った小林さんの気持ち、親族から受け継いだ古い民家に一時的な住まいとして暮らしはじめ、しかし今はそのスタンスに変化を感じている僕は、共感強めに読むことができました。
加えて、今はまだ何のアクションも起こしていませんが、今もR町の土地に理想の住宅=CAMP HOUSEを建てることを諦めているわけではないし、自分たちにできることから少しずつ、R町の土地での時間と体験を積み重ねながら、頭の中にある理想から現実の最適解へと画を描き換えていく作業(これは今の古い家での生活で学んだことです)を進めていきたいとは常々思っているので、小林さんが山の家に対して行ってきた発展的アプローチもすごくいいなあと強く頷きました。
そしてとにかくこの家、すごく格好いいので、写真を眺めているだけでも楽しい。個人の土地、住宅なので勝手に立ち入ることはできませんが、一度実物を拝見してみたいものです。
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一つ、気に入ったコンテンツがあるとなぜか雑誌全体を楽しく読めてしまう僕。久しぶりにボロボロになるまで読み込めそうな雑誌に出会えて、嬉しいです。