ウェルビーイングの観点からキャンプを再考してみた

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最近、様々な場面で目に、耳にすることが増えたウェルビーイング(Wellbeing)という言葉。

僕はこれまで、それ自体、聞いたことはあるものの、その意味や背景、自分たちの暮らしにどう当てはめていけばいいかを深く考えたことはありませんでした。

今回は、ウェルビーイングとはどういうものか、キャンプに取り入れられることはあるか、考えてみたいと思います。

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ウェルビーイング

日本語では「幸福」と訳されることが多いウェルビーイング。

しかし、発祥の地とされる北欧では微妙に意味合いが異なります。具体的には、以下のような状態が継続していること指して、ウェルビーイングと言うようです。

  • 健康である
  • 安心感、満足感、やる気を持って生活できている
  • 自尊心を持てる
  • 経済的な不安がない
  • 上記に問題が生じた場合、家族、友人、地域、行政、国から十分な支援や保護が受けられる。それを本人が理解し、安心できる

おそらく、これらのことが満たされていたとしても僕たちは常に幸福感を感じるわけではないでしょう。どちらかと言えば、失って初めてその大切さに気づく類のものです。

とはいえ、これらが満たされてこそ初めてHappinessと訳される「幸福」を感じられるのも事実です。

日本は、2020年3月に発表されたの世界幸福度ランキングで62位(*1)。世界的に、またアジアに限定しても良い位置にいるとは言えません。

世界的に見て突出して長い労働時間(=短い睡眠時間)、多様性を受容しない職場環境、満員電車や渋滞の中での通勤など、ウェルビーイングを損う要因となり得る仕事環境を改善すべく「働き方改革」が謳われはじめたのは歓迎すべきことです。

ただ、ウェルビーイングは仕事環境だけ改善できれば実現できるわけではありませんし、当然のことながら働く大人だけのものではなく、子どもを含む全ての人にとって重要なものです。

僕たちの深いところに根付くもの

子どもが学校の授業の一つとして受ける体育、特に運動会やマラソン大会で、競争や順位を付けることについて疑問を感じる日本人はあまり多くないかも知れません。僕も同じです。

一方、ウェルビーイングの概念が生活の隅々まで根付いている北欧の人たちの目には、これらは決して良いものには映らないようです。そもそも教育におけるスポーツは、ウェルビーイングを達成することが目的、その手段となるべきで、競争させたり順位を付けるべきものではない、という考えだからです。

例えば、子どもの頃に体を動かすことが好きになれば、大人になってからも習慣として続き、楽しみながら健康を維持し、結果としてウェルビーイングが高まるというわけです(結果として、社会保障費など国のコストが下がることは言うまでもありません)。

もちろんアスリート、またはそれに近いかたちでスポーツや運動と接することが選択できるべきですが、あくまでそれは自らが選択するべきもの。

国が違えば文化も価値観も変わって当然ではあるものの、個人的には「努力」「根性」といった言葉を連想させる日本式よりも、「(体を動かすことの)気持ちよさ」「喜び」「健康」を大切にする北欧式に賛同したくなります。

いずれにせよ、子どもの運動やスポーツの目的をウェルビーイングとする考え方があることを知っておくのは不利益にはなりません。

ふだんあまり考えることはないですが、僕たちが当たり前にやっていることをウェルビーイングという切り口で見直してみることで、違った接し方、取り組み方のできる物事は、運動やスポーツ以外にも多く存在しているような気がします。

ウェルビーイング×キャンプ

で、キャンプです(ようやく)。

単発のキャンプで上記に掲載したの要件を全て満たしてウェルビーイングを実現することは不可能ですが、日々のウェルビーイングの強化に繋げることはできるかも知れません。

では、具体的にどうするか?

幸せの4因子

  • やってみよう(自己実現と成長)
  • なんとかなる(前向きと楽観)
  • あなたらしく(独立とマイペース)
  • ありがとう(つながりと感謝)

これは、幸福学の第一人者と言われる前野隆司さん(慶應義塾大学大学院教授)が幸福のメカニズムを心理学・統計学・科学の手法で研究し導き出した、人が幸福を感じる因子、「幸せの4因子」です。

この因子を踏まえてキャンプの計画を立てていくわけですが、この4つのワードを見ていて、なんだか「キャンプそのまま」という気がしてきませんか?

テントやタープの設営、料理の準備など、これまでできていなかったこと、任せていなかったことを子どもたちにお願いしてみる。もし失敗してしまっても「ま、いっか」「どうにかなるよ!」と笑い飛ばす。自然の中でちょっとした冒険をしてみたり、夜は子どもたちだけで寝てみたり。一つひとつの行動、そしてキャンプが終わったら「がんばったね」「楽しかったね、ありがとう」と気持ちをみんなに伝える……

多くの人が意識せずともキャンプでやっていることかも知れません。ただ、意識することでより強化されていくはずです。

言わずもがなではありますが、やっぱりキャンプって、幸せを感じやすいアクティビティなんですね。

どう評価するか

さて、キャンプで幸せを感じるために実施した事柄について、「う〜ん、今回のキャンプはみんなに幸せの4因子をがっつり感じさせられたわ〜」と自己満足に浸るだけでなく、何かしらのかたちで評価できるのかどうかについても考えてみたいと思います。

それには、ギャラップ社が実施するウェルビーイングに関する調査(*2)が利用できそうです。

同社の調査では、「体験」をポジティブなもの、ネガティブなものに分け、それぞれを10段階で評価します。

  • ポジティブな経験に関する質問
    • あなたは昨日、よく眠れましたか?
    • あなたは昨日、敬意を持って扱われましたか?
    • あなたは昨日、たくさん笑いましたか?
    • あなたは昨日、興味深いことを学んだり、実行したりしましたか?
    • あなたは昨日、あなたは愉しさを感じながら1日を過ごしましたか?
  • ネガティブな経験に関する質問
    • あなたは昨日、体の痛みや不具合を感じながら過ごしましたか?
    • あなたは昨日、不安を感じながら過ごしましたか?
    • あなたは昨日、寂しさを感じながら過ごしましたか?
    • あなたは昨日、ストレスを感じながら過ごしましたか?
    • あなたは昨日、怒りを感じながら過ごしましたか?

これを直接、パートナーや子ども、一緒に行った仲間たちに聞くのもテかも知れませんが、やっぱりちょっと躊躇いますよね。

でも評価軸を知っていれば、観察によってある程度窺い知ることができるかも知れません。ちょっとした会話の中で、いくつかの質問に対する答えを引き出すこともできそうです。

この質問は調査のために開発されたものですが、日々自問自答するなどして自分の状態を知るのにも便利ですし、今回見たように、「幸せ」という視点でキャンプを評価する際にも活用できますね。

・・・

以上、日々の生活におけるウェルビーイング、「幸せ」にキャンプするための4つの因子、評価のための質問をみてきました。

ウェルビーイングは日本においては新しい概念です。この国では「我慢」や「根性」が美徳とされる文化があるので、とかくポジティブさを追求すると否定されかねない空気があり(仕事の効率化を提案したら「楽ばっかりしようと考えるな! 少しは苦労しろ!」と言っちゃう人がいるなどスゴイ国だなといつも思うんですが、その話はまたの機会に……)、僕も「ちょっとぐらい我慢しなさい」みたいな発言をついしちゃいがちなんですが、考えるべきはその先にウェルビーイングがあるのか、幸せがあるのかってことなんですよね。

幸せになるというのは最も基本的なことのはずなのに、ついつい頭から抜けてしまうことってありますよね。

・・・

最後に、自分のウェルビーイング(と言うより、僕の健康)のために、ファミリー/ソロ問わず今後の僕のキャンプで注意するべき点を挙げておきたいと思います。

  • お酒はほどほどに……持っていくそもそもの量を少なくする
  • 早く寝る……起床時間から逆算して7時間は睡眠時間を確保する
  • 座ってばかりいないで体を動かす……軽いアクティビティをキャンプに取り入れる

自分が少し情けなくなりますが(笑)、今後、しっかり注意していきたいと思います。

参考記事・書籍:

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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