「キャンプ白書2021」を読んでみた
公益社団法人「日本キャンプ協会」をご存知でしょうか。
全国各地の青少年関連団体や野外活動研究者、教育者等によって1966年に設立された同協会は、キャンプ指導者の養成や、全国の都道府県にキャンプ協会を開設して※全国にネットワークを広げ、地域に密着した独創性のあるキャンプを展開・支援することに努めている組織とのこと。僕は最近までその存在を知りませんでした。
その日本キャンプ協会が発行している「キャンプ白書2021」という冊子があります。
読んでみたいと思ったんですが書店では取り扱いがなく、日本キャンプ協会に申し込むしか入手する手段がありません。しかし、送料を含めると3000円というお値段。
内容に一抹の不安を感じていた僕は購入に踏み切ることができていなかったのですが、ある日閃きました。
さっそく鳥取県立図書館のWebサイトにアクセスし、蔵書検索して「キャンプ白書2021」の有無を確認。以前も調べたことがあり、無かったので諦めていたんですが、今回はお問合せフォームを開いて購入をリクエストしてみました。
そう、「読みたいから買ってくださいと図書館にお願いする」のが、僕が閃いたアイディアです（笑）。
すぐに「所蔵がないのでリクエストとして検討します」との返答がありましたが可能性としては半々かな〜と、あまり期待値を高めずに待っていました。
3か月半ほど経って僕がこのことを完全に失念した頃（笑）、「準備できました」との連絡が！
というわけでありがたくお借りしてきました。
キャンプ白書2021
一読した感想としては想像どおり、ん〜、想像以上でした。
あまりネガティブなことは書きたくないのですが、僕が期待していた内容の点数を100とすれば、10にも満たない内容でした（偉そうで申し訳ないのですが）。
その理由としては、単純に、僕が求めている情報が掲載されている冊子ではなく、且つ僕のような人に向けてつくられたものでもない、ということに尽きると思います。
それは、
今回は2021年に日本キャンプ協会公認指導者や国内のキャンプ関連団体・施設にアンケート調査を行ない、青少年教育におけるキャンプの現状（活動内容やスタッフの状況、キャンプに求められる価値等）について、調査データを掲載
出典 — 公益社団法人 日本キャンプ協会「キャンプ白書2021」
とあるように、データの収集元が、ビジネスとしてのキャンプではなく「教育目的」のキャンプに関係している人や団体、施設— 日本キャンプ協会が輩出しているキャンプディレクターやキャンプインストラクター、青少年の育成を目的としたor同協会と連携している団体・施設 — などに集中し、アンケートの設問もその活動に沿っているからだと思われます。
本書にはたくさんのアンケート結果が表やグラフで掲載されていますが、ゆえに、それを見ても正直「それで、これを見てどうすれば……」という感想しか出てきませんでしたが、アンケートの対象となった方々にとっては、何かしら得るものがある内容なのかも知れません。（本書の内容の一部が日本キャンプ協会のホームページに掲載されていますので参考までに）。
僕がキャンプ白書に期待していた内容は、例えば以下のような疑問に対する情報、データでした。
- 日本（各都道府県）のキャンプ場の数
- キャンプ場数の推移
- 利用料（区画、利用者数や年齢による区分）
- 運営において何をKPIとしているか
- 利用客の分類（セグメンテーション）
- 主な集客方法
- 稼働率（月別）
- 実施しているユニークなサービス（サブスクリプション、温泉・サウナ設備、アイテムのクリーニングや保管など）
- 生じたトラブルと解決方法（予防策）
- これからキャンプ場に求められるもの
以上はサービス提供側（キャンプ場経営者）に対する設問の一部ですが、他にもたくさん知りたいことがありますし、利用者にも色々と聞いてみたいこともあります。
まあ、要するにですね、僕が持っているようなニーズを満たす本ではないし、それを満たすために作られた本でもない、ということです（3000円払って買っていたら、落ち込んでしばらく浮揚できないでいたと思いますが（笑）、今回は鳥取県立図書館に助けられました）。
ただ、この冊子名を見て同じような期待をしてしまう人もいるかも知れませんので、日本キャンプ協会には次号以降の名称を「青少年育成を目的としたキャンプ白書」といった、内容を正確に反映したものに変更していただけると幸い、と個人的には思います。
