キャンプ用の腕時計について考えてみた

およそ20年間、愛用していた腕時計をとうとう無くしてしまいました。

と言っても、それに気づいてからもう3か月くらい経ちます。

おそらく、去年の12月頃に入った居酒屋のカウンターで、なんとなく邪魔に感じたのか、外したまま置きっぱなしで帰ってしまったのです。近所のスーパーでその居酒屋の女将さんに時々会うのですが、何も言ってこないので、勘違いの可能性大ですけれども。

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ちなみに、その腕時計はコチラ。

CASIO G-SHOCK DW5800-E
画像出典: CASIO

東京に出て間もない頃に、実は生まれて初めて自分で買った時計がコレでした。買った店は確か、新宿東口のビックカメラ。

最初は嬉しくて、風呂に入る時も寝る時も腕にはめていましたが、パソコンでデザインの仕事をするようになってから、デスクに当たって邪魔に感じるようになり、あまり着けなくなりました(この記事に掲載している写真の中の、若かりしり頃の僕。やはりこの時計をしていますね)。

20年のうち、前半の10年くらいはかなりヘビーに使い、後半の10年は休んでもらっていたという感じです。それゆえか、ベルトも電池も一度交換したのみ。超経済的なヤツでした。

新しい時計を探そうと思ったわけ

腕時計をしなくなってから、日常生活でもキャンプでも、時間を確認するためのツールはもっぱらスマホ。実際のところ、これ自体、特に不便ではありません。

ですが、時間を確認するというごく簡単な行動もスマホに依存しているという状態が、何度もポケットやカバンからスマホを取り出す必要性を生み、結果、手を滑らせて落として破損するという確率を高めてしまっていました(よく壊すんですよね……涙)。時間が知りたいと思うのって、たいてい外出している時ですから。

それに、スマホをポケットからゴソゴソと取り出して時間をチェックするのはキャンプには何となく不似合いだし、取り出して時間を見て終わり、ならまだいいんですが、なんだかんだと別のアプリを立ち上げて時間を無駄に消費してしまう負の流れが、そこから始まってしまっているような気がしていました。

せっかく文明からプチ逃避して、自然の中でゆっくりしにきているのに。

それで、時計を探してみようと思ったわけです。

今の生活だけでなく、20年後の妄想の世界に暮らす、還暦を過ぎた自分にも似合うような時計。同じG-SHOCKでも良いのですが、どうせなら20歳ではない43歳のオヤジが選ぶ、別のもの。

こんなのが欲しいと思ったりもしていましたが、明らかにキャンプにも僕自身にも不釣り合い(笑)。これはいつかまたということで)

新しい時計の条件

さて、新しく買う時計に求める条件ですが、登山のようなハードなアクティビティで使うわけではないので、機能としては「防水」と「夜間の視認性」、そして「頑丈」であること。このあたりがしっかりしていればいいかなと。

高度計や気圧計、温度計などもあるといいなと思いましたが、考えてみると、ふつうのキャンプにこれらの情報は必要ないかなと。強いて言えば温度計は、先日行ったような雪中キャンプなどで重宝しますが、腕時計に付いている温度計は体温の影響を受け過ぎて、腕にはめたままでは正確な気温が計れないようなので、それならやっぱり不要と判断。

それから今回は、スマートウォッチ系やデジタル表示の時計は、基本的に除外することにしました。何となくプリミティブな感じの腕時計の方が、キャンプには合うかなと思ったもので。

あとは、キャンプっぽい、アウトドアっぽい雰囲気と格好良さがあれば(そして手頃な価格であれば)、なおよし!

そんなわけで今回は、キャンプ用の時計を検討してみました。

(時計はスペック情報が多いので、掲載してません)

TIMEX オリジナルベトナムキャンパー TW2P88400

まずは、正にキャンパーと名のつく腕時計、TIMEXのキャンパー。

TIMEX オリジナルベトナムキャンパー TW2P88400

TIMEXといえば僕が高校生の頃、サファリという手巻きの腕時計が流行したのが懐かしく思い出されます。今から思えば安っぽい革のバンドでしたが、憧れだったんですよねぇ。

このベトナムキャンパーは、キャンパーシリーズの他の製品とは異なり、ベトナム戦争でアメリカ兵が身につけた使い捨て腕時計の復刻版。アウトドアウォッチというよりも、ミリタリーウォッチです。

見てのとおり、プラスチックの筐体といいナイロンのベルトといい、チャチさが炸裂している時計ですが、使い捨てとして設計されたものですから、当然と言えば当然なんですね。

黒い文字盤に白い針と数字はとても視認性が高そうですが(風防がプラスチックなので傷が付きやすいでしょうが)、ユーザーのレビューによると文字が光らない(光り方が弱い)ので、夜間は顔をくっつけないと見えなくなるそう。キャンプの時に少し困るかも知れません。

日常生活防水(3BAR)なので、例えば海や川でのキャンプで水遊びとなると、やや心もとない気も。

ただ、こういう記事を読むと「ああ、長く身に着けて、僕のもこんな風にしたい」と思ってしまいます。

ちなみに、この50年前の時計を復刻した当製品は、3Dプリンタなどの最新技術を用いて製造されているそうです。

CITIZEN PROMASTER エコ・ドライブBN0111-20L

SEIKO、オリエントと並んで「日本3大腕時計ブランド」の一つとされる(らしい)CITIZEN(シチズン)と、我らがモンベルがコラボレーションして生まれた時計がこちら。

CITIZEN PROMASTER エコ・ドライブBN0111-20L

ムーブメントに電池交換の不要な「光発電エコ・ドライブムーブメント」というCITIZEN独自の技術が採用されています。その名のとおり、光があれば動き続けるという、アウトドアにぴったりの仕組みです。

その他、ケースの素材にスーパーチタニウムという、これまたCITIZEN独自の強靭な素材が使用されていたりしますし、異なるカラーのベルトが予備で1本(合計2本)入っていて、使用シーンによって付け替えられるようになっています。

ただ、何と言うか、面白み、個性が少ない気がするんですよね。

TIMEXのキャンパーも同じように素朴な時計なんですが、何とも言えない存在感、個性があります。ですが、この時計にはそれがチョット足りないような……。

モンベルが出しているくらいですから、アウトドアでの使用はバッチリ、質実剛健な腕時計だとは思うんですけれども。

SEIKO PROSPEX アルピニスト ソーラー ハードレックス SBEB001

今回見た中では最も多機能な腕時計がこちら。三浦雄一郎氏の次男で登山家の三浦豪太氏が監修したモデルです。

SEIKO PROSPEX アルピニスト ソーラー ハードレックス SBEB001

今回はアナログ表示、且つ機能数は抑えめのモデルをチェックしていたんですが、小さなタイヤチューブがくっついているようなシンプルな外観が僕の目を引き、検討リストに入ることになりました。

とにかく機能の数がすごく、太陽光駆動や10気圧の日常生活用強化防水以外にも、パワーセーブ機能、ストップウオッチ機能(1/100秒計測 10時間計)、アラーム機能(デイリーアラーム3ch)、フルオートカレンダー機能、ワールドタイム機能(35都市+7大陸最高峰+富士山)、サウンドデモ機能、パネライト機能、高度計測機能(登高スピード、高度)、登山データ記録機能、気圧計測機能、温度計測機能、方位計測機能、設定機能(体重・単位)、コントラスト調整機能、カレンダー(日付・曜日)機能と、もう何が何だか分からなくなるレベル(笑)。

もちろん、こんなにたくさんの機能は、僕のふだんの生活はもちろん、キャンプにも全く必要ありません。

が、将来、トム(妻)や子どもと一緒に登山に出かけたり、ロングトレイルを歩いたりするようになったら、この中のいくつかの機能はお世話になるかも。

話は逸れますが、このハードレックスを見ていたら、かつて年間50本以上と激しくスキューバダイビングしていた頃に愛用していたダイコン(ダイビングコンピュータ)を思い出しました。

電池交換のためにメーカーに送らないといけなくなり、見積もりをお願いしたら安いモデルなら新しいのが買えるような価格。うーんどうしようかなと悩んでいるうちに、諸事情でダイビングをしなくなってしまったわけですが、つまり何が言いたいかと言うと、気密性を保持する必要のある時計は電池交換の不要な、太陽光駆動がいいなあと。そう思った次第です。

SEIKO PROSPEX SBDN023

続いてもSEIKOのPROSPEXですが、先ほどの山のハードレックスに対して、こちらは海。打って変わって何となく懐かしさを感じさせる顔をしています。

SEIKO PROSPEX SBDN023

その懐かしさの根拠にはなるかどうか分かりませんが、この製品は1975年(僕が生まれた翌年)に発表された、外胴プロテクターつきのダイバーズウォッチプロフェッショナルシリーズをタウンユースにアレンジし、数量限定(世界3000本)でリリースされたもの。

タウンユースといえども、基本はダイバーズウォッチなので、防水機能はばっちり。スペック上は、空気潜水で200メートルとなっています。

僕は、いずれも中途半端ではありますが、海も山も少しやっていました。やはり環境の過酷さで言えば、海の中はダントツで1位だと思います。水深が浅かろうとも、何の装備もなければそこに数分といられないわけですから。

そんな水の中、しかも水深数百メートルという特殊な状況でも正確に時を刻むということは、現代人からすればごく当たり前の技術かも知れませんが、やはり物凄いことだと思うんです。

正確性が失われてしまえば、使う人の命や健康を容易に奪ってしまう環境での使用が前提となっているだけに、シビアに作られています。

ベースとなったプロフェッショナルシリーズと比較すると、ケース素材がチタンのところステンレス+樹脂だったりとチープ感があるのは否めませんが、値段が全く違うので仕方ないのかもですね。

CASIO PROTREK 世界6局対応電波ソーラー PRW-7000

最後は、なくしてしまった時計と同じCASIOのアウトドア用腕時計シリーズ PRO TREKから。

CASIO PROTREK 世界6局対応電波ソーラー PRW-70

こちらも先ほど紹介したSEIKOのハードレックスに負けず劣らずの超多機能モデルで、本来この検討リストに入らないはずの製品ではありますが……ご覧のとおりフェイス自体は比較的シンプルで、多機能さが邪魔するようなモデルではなさそうなところに少し惹かれました。

PRO TREK PRW-7000が面白いのは、たくさんのセンシング(高度、気圧、方位など)によって得られた情報を、デジタル表示に加えて、フェイス右下にあるレトログラード針を使って表示する点。

レトログラードとは、時計の針のように同一方向に回転し続けるのではなく、行ったり来たり反復しながら情報を表示する機構のことですが、例えば気圧の詳細情報を数値として見せるだけでなく、上がった下がったという正にアナログ的情報を直感的に伝える表示は、アウトドアでは重宝しそうです。

いろいろオリジナル機能があって、「フィッシングタイム」という機能は、魚の活性に影響を与える月齢と月の位置の相関関係から、1日のうちで釣りに適した時刻を液晶で表示するもの。キャンプと釣りを組み合わせたアクティビティで試してみたいなと思いました(釣りの好きな人に言わせれば、そんなのいらねーと言われるかもですが)。

PRO TREKのコンセプト、”Feel the field 自然を愛する全ての人へ”のとおり、登山やトレッキング、ダイビングやカヤックなど、自然をフィールドとしたアクティビティを楽しむために開発されたシリーズ。キャンプにも連れていきたくなる1本ですよね。

まとめ

今回、5つの製品をピックアップしてみましたが、実際にチェックした製品は30以上でした。それぞれに良し悪し、特徴やストーリーがあって、気になるものも多かったのですが、今回はこのような顔ぶれになりました。

また、気になるものが見つかったら追加していこうと思っています。

アウトドア用腕時計と言えば!のSUUNTOやバリゴなどももちろんチェックしたわけですが、この記事など比較にならないほど充実した内容のまとめ記事が世の中にたくさんあるので、そちらを読んでみてください。

さーて、どれを買おうかな〜。

* CASIO PROTREK 世界6局対応電波ソーラー PRW-7000-1AJF は記事公開後に追記(2017年3月3日早朝)

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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