ヤマビルキャンプの準備をしてみた

ちょうど1年前、「父と娘」をテーマにキャンプを企画。場所は流し場もトイレもない、どこかの山。

父娘グルキャンに行ってきた

とはいえ何度か遊んだことのある場所でしたし、ロケーションの良さは僕がキャンプしてきた場所の中で最高レベルだったので安心して連れてったのですが、うっかりしてたのが山蛭(ヤマビル)の存在。


カーソルを合わせるかタップすると、モザイクが解除されます(画像出典: Wikipedia

僕も娘もガッツリ吸血されました……。

そのキャンプ地に、今回は野郎のみで行くことにしました。題して、ヤマビルキャンプです。

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ヤマビル対策

ヤマビルの活動期となる4月〜11月は、登山家はもちろん、僕らのように山の中で野営するキャンパーは特に警戒が必要な季節です。

ヤマビルは、北海道以外ほとんど全ての都道府県に生息する陸生吸血生物。動物やヒトの呼気、体温、臭い、振動に反応して寄り付いてきます。一度体に取り付くと見た目からは想像できない速度で移動し、ノコギリのような歯で肌を小さく引き裂いて自重の10倍近くの血液を吸います。その一度の吸血で2年近くは生きられるという、マジモンのバケモンです。

一方、血を吸われた我々人間は、ヤツらが血のお礼にとヒトの体内に送り込むヒルジンなる物質によって血が凝固しづらくなるので、ヤツがら満腹になって体から離れたあともしばらくは流血を続けることになります。

このバケモンから身を守る方法は幾つかあり、登山家たちのブログや山行ログのポータルサイトなどに紹介されています。

後述するように、まずは自分自身、準備するべきことやるべきことがありますが、衣類や携帯品にスプレーしておくとヤマビルを忌避できるアイテムも販売されています。例えばこんなヤツですね。

ただいろんな記事を読んでみると、結局これが一番効果があるようなのです。

飽和食塩水

そう、塩水です。

が、単に塩を溶かした水ではなく、これ以上溶けない状態まで溶かした塩水、「飽和食塩水」です。

20度の水500mlの場合、溶解度は26.39/100(g)なので、約180gの塩を溶かすことで飽和食塩水をつくることができます※1

飽和食塩水
475mlに対して153gの食塩を溶かしました。ちょっと舐めてみましたがメチャ塩辛かった!笑

これをスプレーに入れて持って行き、長靴、チェアやテーブルの脚、ランタンポール、自動車のタイヤに噴射してヤマビルの襲撃を防ごうかと(これで満水にしたタライに椅子を置いて座るのが一番安全かも笑)。

さらに、いつでも吹きかけられるように手元に置いておきます。自分や仲間に取り付いているのを発見したら、すぐに退治できるようにです。

塩水を樹木や植物、地面に直接吹きかけると強い負荷をかけることになり、周囲にも影響を及ぼす可能性があります。使用する対象は前述のとおり衣類や靴、椅子やラックなどのアイテムのみに限定しましょう。一般のキャンプ場で使用する場合は管理者に確認をとってください

地面に物を置かない

忌避剤や食塩水などのアイテムを使うことに加えて、できるだけ肌を露出しない、衣類に取り付いた場合でもすぐに視認できるように柄物は着ないなどの対策をとることができます。より強力な対策として、袖口などをガムテープなどで塞ぐのも有効(僕はそこまではしませんが)。

さて、対策を取るうえで「ヤマビルがどこから攻撃してくるか」を知ることはとても重要です。

先に書いたように、ヤツらの生息地である地面から靴や椅子の脚などを伝って攻撃をしかけてくることは容易に想像できますので、足下への注意は必須です。

では、頭上への注意は必要でしょうか

ヤマビルは木の枝などに潜み、獲物が下に来たら落ちてきて襲う、という話がありますが、アレは都市(山?)伝説のようです。

実際に、小・中学生を中心に結成された「子どもヤマビル研究会」は、ヒルが木から落ちてこないことを実験で証明。この活動は三重県博物館長賞(2018)を受賞したほか、その名も「ヒルは木から落ちてこない。ぼくらのヤマビル研究記」という名の書籍となりました。

つまり、下からの攻撃に集中すればOK、と考えることができます。

足元や椅子などに飽和食塩水を吹きかける対策は先ほど書きましたが、地面に置いた荷物に付着し、それをテントの中に運び入れた後に移動してきて襲撃、というシナリオも考えられますので、できるだけ荷物は地面に置かないようにします。多少濡れてもいいものには、飽和食塩水を吹きかけておきます。

どうしても地面に置く必要のあるものも、脚の細いラックなどを下に置くなどして直接地面に接するのを避けつつ、接地面積を最小化するよう注意が必要です。

ジムニー泊

そしてもう一つ、個人的に効果を期待しているヤマビル対策が、車中泊


ジムニー(JA11)で車中泊、を実装してみた

テントだとどうしても地面に接する面積が大きくなるし、テントの入り口が地面と非常に近いので、侵入を許してしまう可能性が車に比べて高くなります。

テントの入り口に食塩水を噴射して忌避することもできるとは思うんですが、前回の父娘キャンプでヤツらの攻撃を受けたのもテントの中、しかも就寝中だったので、より安心して寝るにはやはり車中泊かなと。

しっかりボディチェックしたうえで車に入ってしまえば、寝ている間に襲撃される可能性はそこまで高くないでしょう、という判断です。

まあ、車中泊できるようにしたので、車で寝たかったというのもあるんですけどね(笑)。

・・・

というわけで、こんな感じで対策、準備して、ヤマビルキャンプ、楽しんできます〜。

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Appendix

aw

Live in Tottori-Pref, JPN. Love Camp, Sandwich, Coffee, Beer and Scotch on the rock. Pursuing Self-Sufficiency Life.

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2件のフィードバック

  1. 栗山 愛樹 より:

    いつも楽しく拝見しています。
    キャンプも好きですが園芸も好きでして、少し気になりコメント致します。
    この内容ですと、過剰に反応した読者が、自分のサイト周りに塩水を撒かないかなーと気になりました。
    もし撒いた場合、土壌に通常では考えられない塩分が蓄積していくことになり、生態系にダメージ(塩害)がありそうなのとスプレーでも客が入れ替わり立ち替わりで(無いとは思いますが)塩スプレーをすれば少なからずサイトの地面に…と、チョットやかましい事を考えてしまいまして。
    アウトドア人口が異常に増えていて色々な人が居るので、ちょっとでも御一考くだされば安心かなと思います。
    失礼致します。

    • aw より:

      栗山 愛樹さん、コメントありがとうございます😊

      またご指摘、ありがとうございます。
      確かに飽和食塩水(までいかずとも食塩水)は自然環境に与える影響が大きいですね。使用に際して注意を促す内容を追記しておきました。

      今後はもう少し気を配って記事を書いていきたいと思います。ありがとうございます。

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